河原町探検隊
[ ジャンル:体験 ]
2010年7月12日
私、大学は立命館。通称「りっちゃん」。今のことは詳しくないが、私は4年を通じて、衣笠キャンパスに通った。京都市北区、衣笠山のふもとで周りは高級住宅街とお寺である。
大学生の時、同志3人で「河原町探検隊」を結成して、よく河原町界隈に衣笠から繰り出したものである。
河原町駅は、阪急電鉄京都本線の終着駅である。河原町の周辺は、京都でも屈指の繁華街で三条大橋や四条大橋が架かる鴨川があり、また高瀬川の東には木屋町、鴨川と木屋町の間には花街、先斗町(ぽんとちょう)がある。さらに、八坂神社近くまで足を伸ばせば、同じく花街の祇園もあったりで、全くもって行き場に事欠かない。
「探検隊」の出動は、いつもだいたい6時くらいから。1人15,000~20,000円くらいの予算で、できるだけ多くの屋台を含めた飲食店に入る。居酒屋から始まり、ショットバー、スナック、ラウンジ、ラーメン・うどんの屋台などをハシゴするのである。
予算に限りがあるから、入って高そうだと思ったらビールだけ。飲み終わったら、すぐチェック。女の子が横に来て、"一杯頂いてもイイですか?"なんて店はダメ。最短、5分くらいで脱出したこともある。
ところで、木屋町に「ますだ」という名で、カウンターだけの居酒屋があった。8人くらい座るときゅうきゅうになる小さな、一見客の少ない、リーズナブルな価格の店で、老夫婦が営んでいた。
串カツのネタが前のケースに並べられており、よくネタ全部を3本ずつと言って注文したものだ。お年寄りの愛情がこもった味がして、何本でも食べられる。おでんもおいしかった。京風で、だし汁の透明度がやけに高い。色が付いていないが味はしっかりしている。おそらくは、昆布、煮干しだけでダシを取り、あとは塩、砂糖、酒で味を調えているのだろう。削り節でダシを取ったり、薄口でも醤油を入れたりしたらもっと茶色くなるはずだ。それに具材からもダシが出る。
私たち3人は常連だったが、一見客は店の狭さにビックリしてほとんど入らない。入ってくるお客さんのパターンがよく似ているのである。1年ぶり、3年ぶり、5年ぶり、時に10年ぶりとかいう会話が飛び交う。おそらくは学生時代によく通ったが、社会人となり遠くへ旅立ったが、京都に所用があってふらっと立ち寄ったのだろう。みんな懐かしそうである。
そんな思い出の染みついたお店「ますだ」、嫁さんとふたりだったから長男が生まれていないはず、よって8・9年ほど前だったか、ふらっと思いついたように行ってみると、いつもの提灯(ちょうちん)がなく、鍵も掛かっている。隣の店の人に尋ねてみると、5ヶ月ほど前に店を閉めたと言う。
私が学生時代でも老夫婦、そりゃ毎年毎年、歳はとる。その1年ほど前に行ったときは元気だったけどなあ。
人生の諸行無常を想う、そんな一瞬であった...。
※明日、明後日は定休日。よって、「部長のブログ」もお休みを頂きます。
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