兵法 『孫子』 【パート3】
2010年7月20日
今日は、「兵法『孫子』【パート1】【パート2】」からの続き。
戦争、軍事において大切な五事とは?また、勝算をどのように見極めるのか、目算するための七つの項目が記されている。
一に曰く道、二に曰く天、三に曰く地、四に曰く将、五に曰く法なり。
道とは、民をして上と意を同じうせしむるものなり。故にこれと死すべくこれと生くべくして、危きを畏れず。
天とは、陰陽・寒暑・時制なり。
地とは、遠近・険易・広狭・死生なり。
将とは、智・信・仁・勇・厳なり。
法とは、曲制・官道・主用なり。
凡そ此の五者は、将は聞かざることなきも、これを知る者は勝ち、知らざる者は勝たず。
故に、これを校(くら)ぶるに計を以てして、其の情を索(もと)む。
曰く、主孰(いず)れか有道なる、将孰れか有能なる、天地孰れか得たる、法令孰れか行なわる、兵衆孰れか強き、士卒孰れか練(なら)いたる、賞罰孰れか明らかなると。
吾、これを以て勝負を知る。
五事とは、「道」「天」「地」「将」「法」をいう。
「道」とは、国民と君主を一心同体にさせるものであり、これが備わっていれば、国民はどんな危険をも顧みずに君主と生死をともにするということ。つまり、大義名分や同一方向の目標のことを指す。
「天」とは、天文、暦、昼夜、晴雨、気温、季節など時間的要素を指す。
「地」とは、距離、地勢の険しさ・容易さ、広さ、高低差など土地の状況のことで、地理的要素を指す。
「将」とは、才智、信義、仁慈、勇敢、威厳など将軍の力量を指す。
「法」とは、軍隊の編成、職能・職責の分担、軍需物資の管理など軍の統制のことで、組織管理を指す。
将軍たる者、この五事くらいは心得ているだろうが、これらを真に理解している者だけが勝ち残り、うわべの理解だけでは勝ち残れないのだ。
次に、七つの目算の内容とは。
主すなわち君主は、敵と味方ではどちらが人心を得て政治を行っているか。
将すなわち将軍は、敵と味方ではどちらが有能であるか。
天地すなわち時間的・地理的条件は、敵と味方ではどちらが有利であるか。
法令は、敵と味方ではどちらが厳粛に規定、施行されているか。
兵衆すなわち軍隊は、敵と味方ではどちらが精鋭か。
士卒すなわち兵隊は、敵と味方ではどちらがよく訓練されているか。
賞罰は、敵と味方ではどちらが公明正大に行われているか。
吾すなわち孫子は、これら七つの項目を比較考量して、戦わずして勝敗の見通しをつけるのである。
いかが?五つの基本問題と七項目の目算の仕方。
戦争、軍事に限らず政治・経済の分野、ビジネス、会社、商談何でも当てはまる。
シンプルではあるが、正鵠を射た見識である。兵法書は、世に多かれど、さすが二千五百年の時を生き続けた書である...。
7/21(水)は定休日。よって、「部長のブログ」もお休みを頂きます。
- コメント


