兵法 『孫子』 【パート4】
2010年10月21日
今日は、「兵法『孫子 【パート1】 【パート2】 【パート3】 」からの続き。.
このシリーズも、なんか久しぶり。【パート3】を書いてから3ヶ月が経つ。今日は、その続き。
将聴吾計、用之必勝、留之、将不聴吾計、用之必敗、去之、計利以聴、乃為之勢、以佐其外、勢者因利而制権也
この件(くだり)は、初めの「将」という字をどのように解釈するかによって、前半部分の書き下し文と文意が、次の2通りに分かれる。
![]()
①「将」を「もし」という助字と解釈する場合
将し(もし)吾が計を聴かば、之(これ)を用いて必ず勝たん。之に留まらん。もし吾が計を聴かずんば、之を用いても必ず敗れん。之を去らん。
王が、もし私(孫武)の五事七計の計略を聞き入れて、私を軍師として用いるなら、必ずや勝利するだろう。それなら、私はこの国に留まるとしよう。反対に、私の計略を聞き入れないなら、私を軍師としても必ず敗れるだろう。それなら、私はこの国を去ることとしよう。
②「将」を「将軍」として解釈する場合
将、吾が計を聴かば、之(これ)を用いて必ず勝たん。之を留めん。将、吾が計を聴かずんば、之を用うれば必ず敗れん。之を去らせん。
将軍が、私(孫武)の言う五事七計の計略を聞き入れる場合には、彼を用いれば必ずや勝利するだろうから留任させよう。反対に、彼が私の計略を聞き入れないのなら、彼を用いたなら必ず敗れるであろうから将軍を辞めさせよう。
私が現在、シリーズものとして執筆途中の「司馬遷と『史記』」には、まだ記述はしていないが、その『史記』の中に「孫子列伝」が出てくる。そこには『孫子』の著者とされる孫武が呉王闔盧(こうりょ)に接見したときの記述があり、そのやりとりからして、私としては上記①の解釈を取る派である。
後半は、かなり抽象的で、そのまま逐語訳的に解釈しようとすると、かえってわかりにくくなる。よって、私流の解釈を。
計、利として以(もっ)て聴かるれば、乃(すなわ)ち之(これ)が勢をを為(な)して、以て其(そ)の外を佐(たす)く。勢とは、利に因(よ)りて権を制するなり。
孫子の兵法は、「戦わずして勝つ」ことを目的とする。五つの基本問題と七項目の目算を計ることから始める。五事、すなわち「道」「天」「地」「将」「法」及び七計、すなわち「主」「将」「天地」「法令」「兵衆」「士卒」「賞罰」を敵と味方で見比べて、見方に情勢有利と見れば、五事七計をさらに実地の臨機応変の処置によって、応用的に補完していけば、さらに勢いを増すことができるのである。
机上で基本を、実地で応用を、臨機応変の処置の大切さを述べていると、私は考える。
う~ん、原文はたった四十一文字しかないが、やはり奥が深いね...。
- コメント


