宝塚市不動産専門(新築一戸建て・新築分譲)「タカラコスモス」

部長のブログ

2011年4月の記事一覧

税法入門(4)

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 今日は、昨日の「税法入門(3)課税要件【その2】」からの続き。

○課税要件【その3】

⑤税率

 課税標準に対する税額の割合のこと。言い換えると、税額を算出するために課税標準に対して適用される比率のこと。
 課税標準が金額で示される所得税や法人税、相続税、贈与税、固定資産税などは、この税率が百分比(%)となる。が、課税標準が数量で示される印紙税や酒税などの場合は、一単位あたりの金額で示されることになる。一単位は、印紙税なら1通、酒税なら1キロリットルというように。
 ちなみに、税率の定め方にはいろいろな考え方がある。大きく分けると、比例税率と差率税率であるが、後者の方はさらに細分化される。次に整理してみよう。

・比例税率→課税標準と税額との割合が常に一定の比率において定められる税率。例えば、固定資産税の場合は、課税標準の1.4/100で計算されるので、標準が高くなれば税額は上がり、低くなれば下がるのだが、その比率は常に一定である。

・差率税率→→→累進税率→→→単純累進税率と超過累進税率
       →→→逆進税率

 累進税率は、課税標準が高くなるに従って課税標準と税額との割合が高くなるように定められる税率。一方、逆進税率は反対に課税標準が高くなるに従ってその割合が低くなるように定められる税率。逆進税率を適用している税は、わが国にはなし。例えば、所得税について言うと、所得が高くなればなるほど税額が低くなるように設定するというのは市民感情にそぐわないし、不合理であるという考え方に立っているものと思われる。しかし、ある意味、頑張れば頑張るほど税金が安くなるという考え方も、これはこれで勤労奨励になるのかもしれないが。

 累進税率には、単純累進税率と超過累進税率の2種類あり。
 課税標準全体に対して各々の税率が適用されるのが単純累進税率で、課税標準が一定の割合を超える部分にだけ、順次高い税率が適用されるように定められたものが超過累進税率である。わが国の場合は、所得税、相続税など一般的にはこの超過累進税率の方を採用している。
 ピンとこないかもしれないので、数字で説明しよう。話をわかりやすくするために実際の税率とは異なる数字を使う。

 課税標準である所得が100万円、200万円、300万円の3人の人がいたとする。そして税率は100万円は10%、200万円は20%、300万円は30%だとする。
 税金は100万円だから10万円、200万円だから40万円、300万円だから90万円というように、課税標準全体に対して各々の税率を当てはめようとするのが単純累進税率。一方、超過累進税率の考え方は、一定の割合を超える部分につき、順次高い税率を当てはめていくことになるので、次のようになる。

・100万円の人→10%だから10万円の税金。これは単純も超過も同じ。

・200万円の人→100万円分は10%で10万円。それを超えるもう100万円分は20%で20万円。よって、10万+20万で、30万円の税金。

・300万円の人→同じように、200万を超える100万円部分は30%で30万円。よって、10万+20万+30万で、60万円の税金。

 と、こうなるが、単純累進税率を採用すると、税率が変わる前後の課税標準では、税額が非連続的に増大するという現象が起こるため、その不都合を回避するために超過累進税率を採用しているというのが立法趣旨である。

 以上、3日間にわたって①納税義務者、②課税物件、③帰属、④課税標準、⑤税率の5つの課税要件について述べたが、おわかり頂けたであろうか。

 最後にひと言だけ。個人は所得税を納め、法人は法人税を納める。では、なぜ所得税法の納税義務者に法人も列挙されているのか?

 これは課税の便宜上、法人の一定の所得に対しても所得税法によって源泉徴収が行えるようにするため。預金利息を例に取ろう。金融機関は預金利息支払いの際には税金を計算して支払金額からその税金分を差し引いてその残額を預金者に利息として支払い、差し引いた分を国に納付するという源泉徴収を行う。
 そこで、もし預金者が法人であれば源泉徴収できないことになると、源泉徴収義務者である金融機関は個人か、法人かをいちいち選別した上で徴収しなければならないという不便が生ずる。また、おカミとしても一律に税金を源泉徴収させる方が確実かつ簡便に税を徴収できるわけである。
 よって、法人は法人税とは別に、所得税法上の源泉徴収制度の関係において所得税を納めることになり、納税義務者の一つに数えられているのである。


 私、もう十数年も毎年、確定申告を手引きとにらめっこしながら行ってきたので、税のことは多少なりともなじみがある。だけど、確定申告をしたことがなく、税の勉強もしたことがない方にとっては、「???」の記事であったかもね。

 私としては、内容のレベルを保ちながら、極力理解しやすいように記述したと自負してはいるのだが...。

2011年4月30日

税法入門(3) 

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 今日は、昨日の「税法入門(2)課税要件【その1】」からの続き。

○課税要件 【その2】

 少しだけ、固定資産税の帰属の問題について深掘りを。

 固定資産税は固定資産の所有者に課すと、地方税法は規定している。よって、「所有する」ことによって帰属するのだが、その所有の判定は土地や建物の登記簿(登記記録)などによってなされる。ために、真実の所有者が所有者として登記されていないときは、所有者だと登記されている者がその固定資産を「所有する」とみなされるのである。

 このように登記・登録上の名義によって形式的に帰属の関係を決定しようという考え方を「表見課税主義」という。本来ならば、真実の所有者に課税すべきところではあるが、役所の徴税便宜の観点から名義人への課税方法を採っているのだと思われる。
 なお、どの時点の名義人を「所有する」者だとみなすか、という問題がある。その基準となる日のことを「賦課期日」というが、これは1月1日と規定している。よって、1月1日現在の登記等の名義人に対して納付請求書が送られることになる。

 われわれのような不動産業者としては、この手の話は日常茶飯事である。

 例えば、タカラコスモスが土地の売主で、Aさんが買主としよう。取引、つまり所有権移転登記と引渡し、代金決済を平成23年2月14日に行ったとする。平成22年度分(平成22年4月1日~23年3月31日)の固定資産税は税額が確定しているから、日割精算金として平成23年2月14日から同年3月31日までの分をタカラコスモスがAから取引時に頂戴する。また、平成23年度分の納付請求書が誰に送られてくるかと言うと、タカラコスモス。なぜなら、平成23年1月1日現在の登記名義人はタカラコスモスであったから。
 しかるに、平成23年度分に当たる平成23年4月1日~24年3月31日の期間における所有者は買主であるAである(Aが他者に所有権移転しないことが前提)。真実の所有者たるAではなく、前所有者たるタカラコスモスに請求が来るのである。
 もちろん、タカラコスモスは真実の所有者Aにそれを請求することになる。実務においては、前もって請求はタカラコスモスに来るからその際は払って下さいね、とAには説明しておき、念書のような形でAさんから一筆もらっておくのが通例。
 なお、契約書においては、日割精算金算出のための起算日を4月1日としているのが一般的。これは、役所の会計年度が4月1日~翌年3月31日であり、これと一致させた方がわかりやすいことによる。

④課税標準

 税率を適用して税額を算出するための基礎となる金額または数量のこと。
 所得税のように所得を課税物件とする場合は、税率が直接適用される「課税される所得金額」などが課税標準となる。収入金額-必要経費=所得。サラリーマンなら、給与収入から給与所得控除を引いたものが給与所得。そこから、さらに各種の所得控除が差し引かれる。雑損控除、医療費控除、社会保険料控除、生命保険料控除、地震保険料控除、配偶者控除、配偶者特別控除、扶養控除、基礎控除等々。その結果、算出された金額が「課税される所得金額」なのである。このあたりのことは、私が過去に書いた記事「確定申告で...、ブログ。」ご参照。
 不動産登記に際して必要な登録免許税の場合は、所有権移転登記については土地または建物の価額が課税標準となるのだが、実務においては固定資産評価額をもって不動産の価額としている。
 なお、課税標準のうち、ある一定の期間内における課税物件(所得税なら所得)をとらえて課税標準とする場合がある。所得税や贈与税なら一暦年、法人税なら一事業年度というように。この期間のことを「課税期間」という。
 ちなみに、このように一定期間を単位として区切って課税標準が算定される場合には、ある課税物件がどの課税期間に属するかがしばしば問題となるのだが、これを学術上は「課税物件の年度帰属の問題」という。
 わかりやすく言うと、こういうこと。ある不動産業者の確定申告を例に取ろう。その会社、決算期は3月31日。ということは、一事業年度は4月1日~翌年3月31日。Aという不動産の売上げ計上を今期にするか、来期にするかによって今期黒字になるか、赤字になるかの瀬戸際。よって、何としても今期計上を果たしたい。基本的に不動産売上げの計上は不動産引渡時すなわち取引時を原則としているが、通達では売買契約時としても差し支えないとしている。まだもらっていない(残)代金を未収入金として計上することにより売上げ計上ができるのである。
 あと、こういう問題も起こりうる。今年度と次年度とどちらに売上げ計上するかによって、税額に差が出る場合があるから、少ない税金で済む方に売上げ計上しようとする問題。上記の不動産業者を例にすると、売買契約が今期中で取引が来期になる不動産が3つあり、一つは今期に、残る2つは来期に計上するというようなやり方は、基準が不明瞭で自己都合だと言って税務署からは、利益操作として否認されかねない。
 こういった問題は、次の⑤に述べる「超過累進税率」をわが国が採用していることにもよる。


 長くなりそうだし、疲れてきたので今日のところはこれで止(よ)す。
 続きは明日の「課税要件【その3】」でね...。 

2011年4月29日

税法入門(2) 

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 このシリーズ、2回目である。前回の「税法入門(1)」では、「税法のふしぎ」のお話をしたが、今日は税法の基礎中の基礎である「課税要件」のお話を。


○課税要件 【その1】

 わが憲法は、国民に納税義務を課している。そして、その納税義務は税法の定める一定の要件が満たされたときに、法律上当然に成立する。この納税義務成立のための要件が課税要件であり、通常は納税義務者、課税物件、帰属、課税標準、税率の5つが挙げられる。なお、課税・徴収権者に当たる国、地方公共団体の存在を要件の一つに数えるべきではあるが、当然の存在として、ここでは省略する。
 5つの課税要件を個別に、端的に説明しよう。

①納税義務者

 要件のうちの人的要素と言える。
 どのような者が該当するかについて、各個別の税法において「・・・者は、この法律により、・・・税を納める義務がある」というように規定されている。

②課税物件

 ①が人的要素なら、こちらは物的要素である。「課税対象」または「課税客体」とも言う。
 いわゆる「モノ」だけを指すのではない。難しい言い方をすると、担税力を認めうるに足る一定の物、行為、事実のこと。
 所得税・法人税なら「所得」、相続税なら「相続財産」、印紙税なら「一定の課税文書」、不動産取得税なら「不動産の取得」、固定資産税なら「固定資産」、ということになる。

③帰属

 納税義務者と課税物件の結びつきのこと。
 所得税・法人税なら課税物件である所得を「取得」することにより帰属が起こる。取得するであろう、取得するかもしれないでは、帰属しないのである。相続税も相続財産を「取得」することにより、また印紙税なら課税文書を「作成」することにより、固定資産税なら固定資産を「所有」することによって納税義務者と課税物件とが結びつくのである。


 長くなりそうだし、夜遅くに一人でこんな面白くもない、小難しい文章を書いてたら何か暗くなってきたので、今日は終了して帰宅することにする。
 よって、続きは明日の「課税要件【その2】」でね...。


 

2011年4月28日

大海人皇子 〈8〉

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 今日は、昨日の「大海人皇子〈7〉」からの続き。

 三角関係は他にもあった。天智天皇、大海人皇子、額田女王のは座興のためのフィクションとして片づけてもよい。しかし、こちらのは政治において極めて重大な意味を持つものであった。好きだの嫌いだの、色恋沙汰ではないのである。その三角関係を形成したのは天智天皇、大海人皇子、それに中臣鎌足である。

2011年4月25日

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大海人皇子 〈7〉

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 今日は、昨日の「大海人皇子〈6〉」からの続き。

1)あかねさす 紫野行き 標野行き 野守は見ずや 君が袖振る

 「あかねさす」は紫に係る枕詞。「紫野」は紫草の生えている野。「標野」は「しめの」と読み、一般人立ち入り禁止の野のこと。標(しめ)とは、棒や縄などで立ち入りを禁ずるしるし。ここでは、紫野=標野で、ことばを変えただけ。VIPだけが入れるところなので、野守(のもり)すなわち番人を置いている。「袖振る」は合図をすることで、「君」はもちろん大海人を指す。野守は暗に天智天皇を指すという解釈もあり。

 妖艶な情を含むも、優美であり、気品溢れる一首である。また、「紫野」「標野」「野守」「袖振る」と、その場面ごとの情景をパッパッと想像させる、いわばテレビや映画のカット割りのような手法を使っており、極めて視覚的な歌であると、私は思う。

2011年4月24日

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大海人皇子 〈6〉

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 今日は、昨日の「大海人皇子〈5〉」からの続き。

 中大兄皇子にとって、内憂外患の日々が続いた。そして、665年2月には、実妹で禁断の愛の対象者である間人皇女が逝去した。間人皇女はもと孝徳天皇の皇后であった人である。その後、禁断とはいえ、古代のこと、中大兄皇子の妃(きさき)にはなっていた。けれど、中大兄皇子は即位して天皇になったとしても、間人皇女を皇后にすることはタブーであった。そのことが中大兄の即位を妨げていたと推測されるのである。

2011年4月23日

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大海人皇子 〈5〉

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 懐かしいと思うほどに、ずいぶんと前のことである。このシリーズを書いたのは。2010年の11月4日から7日にかけて、「大海人皇子〈〉〈〉〈〉〈〉」を書いたのだが、半年近くも前なのである。
 ご興味があれば、ぜひ〈1〉~〈4〉までを通読した上で、〈5〉をお読み頂きたい。

2011年4月22日

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プロフィール
(株)タカラコスモス部長
古澤陽一
昭和41年11月、大阪市大正区で3姉弟の末っ子長男として生まれる。大阪市大正区の市立小・中学校を卒業。中学時代は『金八先生』が流行った校内暴力全盛時。
大阪府立大手前高校では、硬式野球部に所属。後、京都に憧れ、立命館大学法学部に学ぶ。ゼミでは、「クレジット・サラ金問題」を専攻。
卒業後、大阪市北区西天満の吉澤司法書士事務所に入所。3年間の勤務の後、株式会社タカラコスモスに入社、現在に至る。
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