イソップ物語 【パート1】
[ ジャンル:文学 ]
2011年6月 4日
また、新たなるシリーズものの登場である。おなじみのイソップ物語をご紹介していくシリーズである。
イソップとは人の名で、紀元前6世紀頃すなわち2,500年ほど前に生きた人である。ギリシア名はアイソポス。初めは奴隷であったが、後に解放されて自由民となる。
イソップ物語はイソップが創作者とされるが、全てがそうなのではなく、以前からあった寓話、後世の寓話をも吸収しながら膨れあがったものを集大成させたお話だと解されている。
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日本では、1593年というから、豊臣秀吉が君臨していた安土桃山時代のこと、天草のイエズス会の宣教師たちがローマ字訳の『イソポのハブラス』を刊行して紹介したのが初め。よって、キリスト教の価値観が色濃い。その後、江戸時代になって仮名草子『伊曾保物語』が出版されて世に広まった。西洋文学の邦訳第1号である。
今では、子ども向けの童話として認識されがちだが、もとは大人が生活する上での知恵を教示する話をまとめたもので、知恵袋のような存在であった。
動植物や自然が、あたかも人間のように口をきき、ショート・ストーリーでまとめられているから、身近でわかりやすい。よって、全世界的に普及している。
創作者イソップが、もとは家畜のように扱われた奴隷であったがゆえに、その目線は上からのものでなく、虐げられし者、弱者が吐露するかのような文学なのである。また、老若男女を問わず、誰にでも楽しめる童話的世界は極めて視覚的に描き出されている。読むと誰にでも、その世界が目に見えるかのようだ。
それは、決して崇高で深淵な思想を語るものではないのだが、人間の愚かさを辛辣(しんらつ)に戒めるところに、この物語の味わい深さがある。
前置きはこの辺にしておいて、【パート1】では、誰でも知っている『ウサギとカメ』のお話を。
このお話は、石原和三郎が作詞した童謡で完結するから、その詩でもって代用を。
もしもし かめよ かめさんよ
せかいのうちで おまえほど
あゆみの のろい ものはない
どうして そんなに のろいのか
なんと おっしゃる うさぎさん
そんなら おまえと かけくらべ
むこうの おやまの ふもとまで
どちらが さきに かけつくか
どんなに かめが いそいでも
どうせ ばんまで かかるだろ
ここらで ちょっと ひとねむり
グーグーグーグー グーグーグー
これは ねすぎた しくじった
ピョンピョンピョンピョン
ピョンピョンピョン
あんまりおそい うさぎさん
さっきのじまんは どうしたの
どんなにすぐれた才能があろうとも、それを過信して磨きをかけなければ、能力は劣ってはいても、コツコツとまじめに前進する、努力の人には負けてしまう。
明治時代の教科書に、これ、「油断大敵」と題されていたようだ。
油断大敵かあ。私なら、「下剋上」と題するが...。
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