イソップ物語 【パート3】 〈前編〉
[ ジャンル:文学 ]
2012年7月12日
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今日は、『木こりと金の斧』のお話を。これも、知らないという人は、まずいないだろうが、私流に書き下ろしてみたので、読んでほしい。
木こりが山の中で、木を切っていました。すると、うっかり手を滑らせてしまい、斧を近くの湖に落としてしまいました。湖は案外と深く、容易に見つけることができません。困りながら湖面を眺めていると、湖の中から神さまが現れました。
神さまは、木こりが困った顔をしていたので、事情を聞き出すと、また湖の中へと消えてしまいました。しかし、しばらくすると、また戻ってきて、木こりに尋ねました。
「おまえが落としたのは、この斧か?」
神さまが手にしていたのは、金ピカの斧だったので、木こりはノーと言いました。神さまはまた、湖の中に消えたかと思うと、すぐに浮かび上がって同じ問いかけをします。手には銀の斧を持っています。木こりの答えは、またもノー。神さまは、またまた湖に潜り、今度は年季の入った鉄の斧を持ちながら現れて問いかけると、木こりは答えました。
「それです。私が落としたのは、その斧です。」
すると、神さまは微笑みながら、こう言いました。
「これはおまえの斧だから、おまえに返そう。それと、ここにある金の斧と、銀の斧もおまえにあげよう。」
ある日のこと、湖でのラッキーなできごとを聞きつけた別の木こりが、自分もそのラッキーにあやかろうと考えました。山に入り、同じように自分の斧を湖に投げ込みました。違うのは、誤って落ちたのではなく、わざと投げ込んだということ。それでも、途方に暮れた面持ちで湖面を眺めていると、例の神さまが現れました。
神さまは前回同様、その木こりに事情を尋ねます。そして、同じように湖の中に落としてしまったという斧を探してくれました。まずは、金の斧を持ち、これがおまえの斧かと尋ねるや、その木こりは、すぐさまイエスの答えを出してしまいました。
「それです。それが私の斧です。」
そう言うが早いか、神さまは湖の中に消えてしまいました。そして、二度と木こりの前に姿を現すことはありませんでした。
その木こりは金の斧、銀の斧を得られなかっただけではなく、商売道具の自分の斧までも無くしてしまいましたとさ。
このお話、子ども向けにはどうやら、このような内容だと説いているような気が。正直者は得をして、うそつきで強欲な者は損をするのだ、と。
しかし、果たしてそんなに単純なのであろうか。私の考えは、こう。
と、言いたいところだが、続けると長くなりそうなので、今日のところはこれで止(よ)す。続きは、明日にね...。
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