兵法 『孫子』 【パート9】
2013年3月 5日
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今日は、前回の「作戦篇」の続きを。
故に敵を殺す者怒なり、敵の貨を取る者は利なり。故に車戦に車十乗已上を得れば、其(そ)の先ず得たる者を賞し、而(しか)して其(そ)の旌旗(せいき)を更(あらた)め、車は雑えてこれに乗らしめ、卒は善くしてこれを養う。 是(こ)れを敵に勝ちて強を益(ま)すと謂う。
故に兵は勝つことを貴び、久しきを貴ばず。故に兵を知るの将は、民の司命、国家安危の主なり。
何となくわかると思うが、一応逐語訳してみよう。
そこで、敵の兵を殺戮するのは奮闘する気概によるのだが、敵の物資を奪い取るのは利を求めてのことである。よって、車戦で敵の車十台以上を奪ったときには、初めに奪った者に褒賞として与え、旗印を身方のものに取り替えたうえで、その戦車を自軍のものといっしょに乗用させ、降参した敵兵卒は厚遇して身方として養う。こういうことが、敵に勝って強さを増していくということなのだ。
だから、戦争というものは勝利を第一義とするものの、長期化してはならない。以上のようなわけで、戦争の本質や利害得失を心得た将軍は、国民の生死運命を左右し、国家の安全危機を決する主役なのである。
ここは国どうしの戦争を念頭に置いてはいるが、人生のあらゆる場面で応用のきくお話だ。いかにやる気を起こさせるか、論功行賞を明確にすることの大切さと、勝利してますます強くなっていくことの道理を説いている。
戦争は勝たねばならない。でも、勝ち方も重要だ。ダラダラと長期化、泥沼化して勝ったとしても意味がない。財政悪化を招き、大きく国土を焦土と化し、多数の国民を犠牲にするくらいなら、まだ十分な余力を残して負ける方が、よほどよい。
常に利害得失を計算に入れて、短期決戦で効率よく勝て。勝つこと、利益だけを視野に入れ、負けたときの損害を想定していないようではダメ。
政治の世界のみならず、教育・スポーツ・経営・投資などなど、多種多様の分野における理念として、相通ずるものがあるようだ。
はい、これで「作戦篇」は終了。次は「謀攻篇」に移りたい。いつのことになるかは、わからないが...。
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