ルールブックの盲点の1点 【その3】
2013年12月 3日
今日は、「ルールブックの盲点の1点」 【その1】 【その2】 からの続き。
延長10回表、スコア・ボードは明訓高校に1点を表示した。これで、1対0。大きな1点である。実は、1塁ランナーの山田は小フライが上がったときから、この奇妙な1点を狙っていたのだ。岩鬼が既にホーム・ベースに達して座り込んでいるのを見て、わざと塁間に立ち止まった。
不知火がノー・バウンドでキャッチできなければ、岩鬼はホームインしているから1点は確実。この場合、自分も2塁に進塁しなければならない。けれど、「もしキャッチされたら」を瞬時に判断し、すぐに1塁に戻ろうとせず、その場に立ちすくんだ。そして、不知火がキャッチしたとみるや、敢えてアウトになるタイミングで帰塁するふりをしたのだ。
これは、不知火が一塁に送球してランナーである自分を刺すように仕向けた陽動作戦で、誰も気づかぬ山田のファイン・プレーであったと言える。ここで、山田は息をひそめてじっと待った。1点が入るための条件が整うことを。
ピッチャーである不知火と内野手たちは、そそくさと引き上げていく。ダブル・プレーでチェンジなのだから、当然といえば当然だ。その全員がフェア・ラインを越え、ファール・ゾーンに入ったのを見届けた山田は、明訓ベンチに戻り、声を張り上げた。
「よ~し、1点取ったぞ~!」
あら、ふしぎ。なぜに1点が入ったのか。実際のところ、これを解く鍵は次に挙げる5つのキーワードにある。
①ランナーのリタッチ義務
②フォース・アウト
③タイム・プレー
④第4アウトから第3アウトへの置き換え
⑤アピール・プレー
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アニメでは、山田太郎のじっちゃんが、この1点の説明を簡略にする。そして、「こういう点の取り方があったかあ」と感心し、不調の孫を、こう誉める。「太郎は打てなきゃ打てないで、何とかするやつよ」と。
ここで、今一度状況を整理してみよう。
一死満塁、ランナーは3塁に岩鬼、2塁殿馬、1塁山田。バッター微笑はスクイズ・バントを試みるも、小フライを上げてしまい、不知火がこれをノー・バウンドでキャッチ。よって、打者走者のアウトで、2アウトが成立する。ランナー岩鬼は、この時既にホーム・ベース上に座り込み、バント失敗の微笑を罵っている。ピッチャー不知火は、迷うことなく1塁に送球。1塁ランナーの山田を刺して、3アウトを取るためだ。あわてて帰塁しようとする山田の足は遅い。不知火の送球を1塁ベースを踏みながらファーストが、山田の帰塁よりも早くキャッチしたから、ランナー山田がアウトを宣告された。これで3アウトが成立し、攻守交代となった。
一見、何の変哲もないチェンジだと言える。しかるに、明訓は1点を取ったことになったのだから、あら、ふしぎ。
その理由は、こうだ。
長くなりそうなので、今日のところはこれで終了。続きは、休み明けのことに...。
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