ルールブックの盲点の1点 【その7】
2013年12月 8日
今日は、「ルールブックの盲点の1点」 【その1】 【その2】 【その3】 【その4】 【その5】 【その6】 からの続き。
それでは、「フォース・アウト」について言及したい。「フォース」は英語の「force」で、力の意だ。動詞なら強いる、余儀なくさせる、押しやるという意となる。バッターがゴロを打ってランナーと化したときに、塁上のランナーが前に進まざるを得ない状況がフォースの状態であって、このランナーをアウトにすることがフォース・アウトなのである。
簡単に言うと、塁が詰まっていて、まるでところてんのごとく、後から来るランナーによって押しやられ、その塁を明け渡さねばならない状況、その状況によって起こるプレーが、フォース・プレーだ。ランナーが飛球を打って野手にキャッチされれば、その時点でアウトだから、1塁ランナーは1塁にいることができるが、ゴロを打ったときは強制的に2塁に進まねばならない。とどのつまり、バッターが飛球を打って野手にキャッチされない限りは、常に1塁ランナーはフォースの状態にあると言える。
ランナー1塁、1・2塁、満塁のときは、みんなフォース。1・3塁なら、1塁ランナーはフォースだが、3塁はそうではない。2・3塁は、ふたりともフォースでない。1塁が空いているからだ。もちろん、2塁のみ、3塁のみにランナーがいる場合は、フォースではない。
結局のところ、フォース・プレーになるかならないかで、どういう点に違いが出るかというと、次の2点だ。
①ランナーをアウトにする方法
②ランナーがホーム・ベースを踏んだときの得点との関係性
先ず、①について。ランナーをアウトにする場合に、ランナーの体に必ずタッチしなければならない場合と、ボールを持った状態でベース・タッチすれば足りる場合(ふつうは、これを足でする)とでは、時間的にかなりの差が生ずる。フォース・アウトの場合は、必ずしも体にタッチする必要はなく、ベース・タッチのみでよいことが大きな違いだ。フォース・アウトを取る際に、野手がベースを踏んだ状態で、足・上半身・腕を最大限に伸ばして一刻も早く送球を手前でつかもうとするのは、そのためだ。
ちなみに、フォース・アウトを「封殺」というが、フォース・アウトの2連続が「併殺」だ。封殺の2連続でなくとも併殺は起こりうるが、そのことは置く。野球中継で、「打者が併殺打に終わった」「併殺崩れの間に、3塁ランナーがホームに生還」というようなアナウンスを耳にしたことがあるだろう。
例えば、ランナー1塁でショート・ゴロ、6-4-3でゲッツー。これが典型的な併殺打だ。例はいくらでもある。ランナー満塁でピッチャー・ゴロ。1-2-3、1-5-4、1-5-3、1-4-3でも構わない。要は凡打して、ダブル・プレーを食らうのが併殺打である。
稀に、トリプル・プレーもある。時間的な制約からフォース・アウトの連続のほうがしやすい。ランナー1・2塁でサード・ゴロ。ベース近くで捕ったサードが3塁ベースを踏み、すばやく2塁へ転送。5・5-4-3で、「三重殺」となるわけだ。
なお、上記の例のように、手前にいる走者から封殺していく場合は、連続して封殺が可能だが、そうでない場合は、封殺の連続ができないことには注意が必要だ。いちばん簡単な例を挙げよう。ランナー1塁でファースト・ゴロ、3-6-3なら封殺の連続ができる。が、1塁ベース近くにボールが飛んだときにファーストが先に1塁ベースを踏むことがある。これで、バッター・ランナーはアウト。次にファーストから2塁ベースにカバーに入ったショートにボールを送ったときは、フォース・プレーとはならない。ランナーにタッチが必要だ。つまり、タッチ・プレーになるということ。
もともとランナーがフォースの状態にあっても、後ろのランナーがフォース・アウトになれば、前のランナーはフォースの状態ではなくなるのだ。なぜなら、後ろのランナーがアウトになることによって、前のランナーは先の塁に進んでもよいし、元いた塁に留まってもよい(戻ってもよい)からだ。これを、「フォースの解除」という。
なんか、ルールブックそのもののような様相を呈してきたが、まだ終われない。続きは、明日のことに...。
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